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2026/09/03 20:42


こんにちは、金永です。

今回、セットアップをご紹介するにあたって、
改めて紹介したい人がいます

宮崎で服づくりを続けている、
私の師匠、Switchさんです。

私が古着を教えてもらった人で、
金永というお店の名前にも関係のある人です。

出会ったのは、もう10年近く前。
きっかけは音楽でした。

※昔の写真
出てきたのはこれだけ…
10年以上の付き合いで写真一枚…
意外と撮ってないものですね。笑

大阪と九州で離れていたので、
いつも一緒にいたわけではありません。

会えば必ずお話しさせて頂く
ご飯をご馳走してもらったり、
くだらない話、真面目な話も、
全部聞いてくれました。

服の師匠と言い出す前からも、
そもそも良い先輩でした。
そんな関係が続いていました。

当時からSwitchさんは、
周りからも「おしゃれな人」として知られていて
特に古着に詳しい人でした。

もちろん気取っているわけでもなく
別に服に詳しくない人から見ても
「この人おしゃれだな」と分かる。

一方 私は、
服のことを殆ど何も知りませんでした。


私が会社を辞めて、
古着を仕事にしようと思った頃から
分からないことがあるたびに、
年代やタグ、服の作りを聞くようになりました。

ネットには無数の情報がありますが
果たしてそれが正しいのか
自分だけで判断できませんでした

だからこそ
実際に服を見て、触ってきた人の言葉は、
私にとって大きな頼りでした。

そうやって服のことを教えてもらった人が
今ではご自身で服を作っています。


Switchさんの作る服は
一見、とてもシンプルです。

でも、話を聞いていると、
その形になるまでには
かなり遠回りをしています。

まず、流行っているものを
そのまま作る人ではありません。

というより、
多分流行に興味がありません。

何かから着想を得ても、
そこから自分なりに考えて、
自分が納得するところまで形を変えていく。


今回、型紙の作り方についても聞きました。
※ 型紙(パターン)とは、服を立体的に仕立てるための
「設計図」のようなもの

一般的な方法とは少し違う、
独自の考え方で形を起こしていくそうです

細かな作り方については、
ご本人から「ここは言わないで」と言われているので、
詳しくは書けません。

ただ、話を聞いていて思ったのは、
「何を作るか」を考えるところに、
この人の面白さがあります。

古着を知っている人が
古着の見方・選び方・遊び方
これらをそのまま服作りに持ち込む訳ですから。



今回のハンドクラフト
セットアップ
まずはパンツの方から。

最初に作ろうとした型の候補は、
ポロチノ、90年代のトミーのタックパンツ、
そしてスウェーデン軍のプリズナーパンツ。

その中から選んだのが、
スウェーデン軍のプリズナーパンツでした。

理由を聞くと、
単純に「好きだから」。
加えて、
スニーカーでも革靴でも、
足のシルエットがきれいに見える。



例えばパンツのポケットひとつとっても、
見た目だけではなく、使いやすさまで考えています。

スマートフォンを入れたときの深さ。 
座ったときに物が落ちにくいこと。
日常で使ったときの強度。

「簡単だから」ではなく、
実用性と、作る自由さの両方を考えた結果、
こうなっています。

そしてプリズナーパンツを元にすれば、
「そんなところからサンプリングしたのか!」
と、古着好きなら少し嬉しくなります。

被らない古着を探すならまだしも、
そこまで被らないアイテムを見つけて、
更に自分が思う改良を重ねていく。

古着好きが、
古着を眺めるだけで終わらず、
「俺ならこうする」とやり始める。

こういうところに
Switchさんの片鱗が見える気もします

ちなみに実際のプリズナーパンツ
こんな感じです
↓ 

セットアップの、
トップスも同じです。

取っ掛かりになったのは、
既存の服にあったシンプルな形。

そこから、
「俺ならこう」を重ねていく。

肩の位置を大きく落として、
袖まわりにもゆとりを持たせる。

そのため身体にぴったり沿うというより、
身体から少し離れて、
ふわっと落ちるようなシルエットになっています。


本来半袖とは、
Tシャツでもシャツでも、
どうしてもシンプルな形に落ち着きます。

ところが少しずつ外していくと、
肩がなくなって、
身幅が広がって、
服と身体の間に余白ができる。

着てみると
どこかポンチョのようでもあり、
和装のように見えるのも、ミソ。

奇抜な形を作りたかったわけではありません。

「こうしたら、ちょっと面白いんじゃないか」
「サイズ問わずみんな着れるんじゃないか」
「こう着たら、格好いいんじゃないか」

飽くまで着地点は、

「おしゃれの提案」です。


この人の服作りは、
「完成した服だけを見ても分からない」
ここに面白さがあります。
(ましてや見た目のシンプルさからは分かりません)

元にしたものがあって
そこから考えて
実際に作って
少し変えて
また考える

それを永遠に繰り返した先に、
今の形があります。

こういう話を聞いた上で実際に服を着てみると
「なるほど、だからこうなっているのか」
と思える瞬間があります。



今回のセットアップの話に戻ります。

私が今回、
「良い服はいつ着てもいい」
と考えたとき、
真っ先に頭に浮かんだのが、
Switch製のセットアップでした

冠婚葬祭のように、
「着る理由」がなくても、
ただ好きだから着る。
家でも過ごせる。
そんな自由さを、
最初から持っているように感じたからです。

金永で紹介したい理由はここです。


そんな方に会いに、
宮崎まで来ました。

服を作っているところを見て、
お話も聞かせていただき、
そして実際に一緒にセットアップを着て街に出る。


「セットアップって、
もっと気楽に着てもいいんじゃないか」

こちら、
私自身も実際に体験してみました。
その日の話はまた次のブログにて。

9月5日、6日。
金永のセットアップをご紹介します。

金永
店主 金場大作