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2026/08/30 17:39


こんにちは、金永です。

9月5日、6日に向けて
セットアップをご紹介します。

この時期になると
「AW立ち上げ」という言葉をよく見かけます。

もちろん季節は少しずつ秋冬へ向かっていますが
いきなりAW全開というより
これからの季節に向けて
ピンポイントでじっくりご紹介できればと。

そんな中で
最初に見てもらいたいと思ったのが
セットアップでした。

これまで金永ではセットアップを
特に冠婚葬祭を目掛けた訳ではないですが、
自然とその方向に対しておすすめしていました。

もちろんそれは今でも、
これからも、一生涯 大切な用途です。

ただ、少し前に、
セットアップについて考え直す出来事がありました。


ある日、
女性のお客様がご来店くださいました。

店頭にあったセットアップ
気に入ってくださり、ご試着。

男性向けに置いていたので
ご試着して頂けること自体びっくりでしたが
とてもよくお似合いでした。

少し迷われて、一旦お店を出られました。
しばらくしてお戻りくださり、再度ご試着。

やっぱり、よくお似合いでした
もはや馴染んでおられました

お客様が仰いました
「良いんだけど、着る機会がない」

お仕事柄、スーツを着る必要がない。
プライベートでも、着ていくような場所はない。

そもそも着る機会がないなら
「良いものだから、一着持っておく」
それも少し違う気がする。

そんなお話でした。


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上手く答えられませんでした。

本当にお似合いだったので、
お迎えいただければもちろん嬉しい。

でも「着る機会がない」と言われると、
それ以上は何も言えませんでした。

「良い服なんですけどね」という言葉だけ、
なんとなく宙に浮いたような感覚でした。

そのことがずっと頭に残りました。


服屋として、
着こなしのご提案は大切です。

どんな色と合わせるか
中のシャツは控えめで行くのか
お手持ちの革靴との相性はどうか

とても大事なことです。

でもセットアップについては、
着こなしの前に、
ひとつ気になることがあります。

どうしてこんなに、
「着る理由」を求められるんだろう?

結婚式、成人式、会食。
何か特別な予定がないと、
少し手を伸ばしにくい。

もちろん、そうした場面で着ることは
とても大切なことだと思っています。

それでも、
「着る理由」が強く先行する服だからこそ、
「着る場面」は実は簡単でいいんじゃないか?
「今日はこれを着たい」それくらいでいいんじゃないか?


知らない駅で降りてみる
行ってみたかった喫茶店へ行く

古書店を覗いてみる
アートブックをジャケ買いする
それを持ってまた別のカフェに行く

中はTシャツで、足元はスニーカー
思い出した時に肩の力も抜いてみる。

そんな何気ない一日に、
セットアップを着てみる。
そんな楽しみ方もいいんじゃないかと思っています。

良い服は、いつ着てもいい。


今回のセットアップも、
そんな気持ちで選びました。

セットアップは、外見ではブランドが分かりません。
ですから基準は、生地と仕立てとサイズ感。

もちろん状態も気にしながら、
一着ずつ選びました。

数は決して多くありません。
と言うか、少ないです。

いつも通り「これはいい」を選んでいったら、
このくらいのセレクションになりました。


「着る機会がない」
お客様からの大切なお言葉です。

もう一度向き合ってみる
そんな気持ちで始めています。

もちろん、
冠婚葬祭などの場面にも着ていただける、
しっかりとしたものを選んでいます。

そのうえで、もっと気楽に。
それこそ、スーツの文脈を少し崩して日常に
秋、まずはセットアップより。

その服を着てどこへ行こうか。
そんなところまで一緒にお話出来れば、
それ以上に嬉しいことはございません。

9月5日、6日 
皆様のご来店、WEBアクセス
心からお待ちしております。

金永
店主 金場大作